冷蔵庫の穴

11

あたしはそーっと慎重に
ガムテープを剥がした。


・・・出た。

これだ。

あたしを支配する

『虚』だ。

さっきはあまりの強烈さに
我を失いかけたが、
あたしの中に免疫が構築されたようだ。

一円玉くらいの大きさのこれにまず、

右手人差し指を

第一関節まで挿入してみた。、、

ギャッ!

吃驚して思わず声を上げてしまった。

何なんだ、
この感触は。

冷たくも熱くもない。

ただ、ぶにょぶにょと、

気色の悪い何かが

剥き出しになっているような、

まるで水溶き片栗粉の感触だ。
ますます混乱に陥る。
しかし確かめなくては。

そう、確かめるには穴が小さ過ぎる。

あたしはその穴の回りに
ガムテープを押し付ける、

人差し指の爪でうりうりと押し付ける。
勢い良く剥がす、を繰り返した。

ひたすら繰り返した。

必死に、

自らの身を捨てるほど、

決死に。
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