冷蔵庫の穴

18

あたしは気付いた。

この世界鼻の高さは

関係ないのだ。

また、胸の大きさも

関係ないのだ。

きっと美容整形も
全く違う方法なのだろう。

あたしのコンプレックスは

関係ないのである。


暫く考えた。


本棚の上の

2次元のあたしの写真は、

あたしと同じ顔をしている。

というか、
あたしん家にも
同じ写真が
同じところに置いてある。


ここの住人はあたしなのだ。


更に考えた。


あたしは

あたしに

会うべきか。


もし、会ったなら

どんな挨拶を
すればいいのだろう。

吃音持ちの

あたしははなっから

「はっはっはじめまして」、

そして相手も

「どっどっどっどうも」。


話がはずむわけないのである。

きっと相手も
同じ事を悩んでるはず。


猫のなつき方からして、


同一人物なのだ。
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