冷蔵庫の穴

混乱した
あたしの頭で思いついたのは
こんなとこだった。

あたしの性格上、
というか人生今まで

クレーム

など人に言った事が無いのである。
当然第一案は却下だな。

粗大ゴミか、、。
処分するにはいくらかかるのだろう?

ましてや捨ててしまったら
新しいのを買わなくては
いけないではないか。

金が無いから、
うら若き乙女のあたしが

竹輪の磯辺揚げで

一杯やっとるわけだ。

もし第三案、
一緒に暮らすってことは、
ガムテープを見る度に
あたしは背筋を凍らすわけだ。

得体の知れないアイツ
『虚』に!

ということは、
第四案あたしが1人で

『虚』

を確かめるしかないようだ。

あたしは今まで
何だって独りでやってきたさ。

16才で高校やめて
シンガー目指して
東京に出てきたではないか。

よし!
覗いてみるか、
例のものを。

あたしはコーヒーを飲み干し
勢いよく腰を上げた。

立ち眩みがした。

そうだ、
朝から固形物を口にしていない。

1番安くて

エネルギーが豊富と思われる
シュガードーナツを景気付けに

2個買いだ。

ドーナツを頬張りながら桜並木を歩く。

裸の木々達は
真っ逆さまに新しいあたしを
迎えてくれるようだ。

薄手のコートでも寒さを感じない。
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