副会長の秘密
「う…うん?そうだけど…」
想像してた反応じゃなかったから、びっくりしながらも、私は山積みになったプリントを片付けながら応えると、
みなちゃんの目線は、いつの間にか私が持っているプリントに向けられていた。
「そういえば、日直の…もう1人の方は?」
「えっと、もう1人は山瀬辰巳(ヤマセ タツミ)くんなんだけど。…なんか『ちょっとトイレ』とか言って、どこか行っちゃった」
あははと笑いながら応えると、みなちゃんはまた複雑そうな顔をした。
山瀬辰巳(ヤマセタツミ)くん。
クラスメイトで、ムードメーカー。
野球部に入っていて、部活が何より大好き。
顔は普通にカッコ良くて、優しくて運動神経が抜群。
それから、私の親友であるみなちゃんとは、幼なじみなのだ。
へ…な、なんかいけないこと言ったっけ!!!?
私っ!!???
「…あのー、みなちゃん……私、変なこと言っちゃった……?」
おそるおそる聞いてみると、みなちゃんは私の両肩をガシッと掴むと静かに言った。
「……亜稀ちゃん」
「…な、何でしょう………」
ヤ、ヤバい!!!
みなちゃん…怒ってる??