片想
「…ありがとう」
そう言ってみたけれど彼はやっぱり何も答えることはなかった。
自分の仕事もたくさんあるはずなのに。
どうして?
アタシのこと嫌いなはずなのに。
どうして?
そんなことを思いながら。
でもなぜか聞くこともできず。
資料を広げ最初からパソコンで1ヵ月分のデータを作り直し、
ふたりで黙ったまま仕事を続ける。
いつの間にか終業のチャイムも鳴ってフロアは静まり返る。
顔をあげると窓の外はもうだいぶ暗くなっていた。