片想
どこかで…。
目がそらせなくてそのまま彼女を見つめる。
「どうしたんですか?
薬師さん?」
「あ、ごめん。
なんかあの子ひとりみたいで…」
アタシの視線のほうを舟岡さんも見つめる。
「ホント、ひとりみたいですね。
ご家族のかたとはぐれちゃったのかな…」
すると
アタシが見つめていたせいか女の子の方からアタシたちのほうへと駆け寄ってきた。
あ。
この女の子。
思い出した。
和水チーフの…。
前に見せてもらった写真の女の子と同じ。
なんだか、いやだ。