フルスロットルラブ

そんなハズないでしょう?


だって…、



「颯真今までずっと彼女がいたじゃない!」



そうなのだ…、颯真は傲慢で不遜で尊大な男なのだけれど、


この整った精悍な顔立ちと、モデルのような均整のとれたスタイルで、周りに女の子の姿を見かけない時など全く無かったと言って良い程にモテていた。


いつだってキレイな女の人を侍らせていたじゃない!


彼女が途切れた事なんて無かったじゃない!


それなのにそんなフザけた事を言うなんて。



『はぁ?オレがいつオマエに彼女が居るなんて言ったよ。』



え…っ!?

そんな訳無いじゃないのっ!

そんなのおかしいでしょ!


…って、ん?

…アレ?


颯真に言われて過去を思い返してみると…、


そういえば確かに…颯真から彼女がいるとハッキリ言われた事は無いような気がする。


彼女だと紹介されたことは一度も無い様な気がするけど、


でも何度も綺麗な女の人を連れて歩いている所を見た事がある。


腕を組んでいる姿だって見た事があるのよ?


だから当然その人が彼女なんだろうと思っていた。



「え?あ、まぁ…そう言われてみれば、彼女が居るとはハッキリ言われてない気がするけど…。」



でもその綺麗な女の人達が歴代の彼女なんじゃないの?


そうじゃないとおかしくない?


あの親密な雰囲気は彼氏彼女じゃないと出ないものなんじゃないだろうか?


まぁそうは言っても私には付き合った経験が無いから分からないのだけれど。

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