フルスロットルラブ

だって、中学の卒業文集に"私の将来の夢"を書いた時はお嫁さんになる事が夢だった。


私は中学時代"将来この職業に就きたい"という夢を持っていなかった。


将来を想像してみても、大人になった自分が何をしたいと思うのかサッパリ分からなかったし、自分に合う職業が何なのか全く分からなかった。


そのせいもあってか、母が毎日家で忙しくも楽しく専業主婦として過ごしている姿を見て、出来る事ならばカッコイイ旦那さんと結婚して、仕事などせずに専業主婦になりたいなぁ!

なんていう甘っちょろい夢をぼんやりと抱いていたのだ。


そして結婚するなら26歳ぐらいがいいなぁなんて、これまたぼんやりと思っていた。


確か結婚適齢期は26歳ぐらいだと誰かが言っていたような気がする。


そんでもって"女は愛するより愛される方が幸せになれるのよ"と母は常々言っていた。


夜景のキレイなホテルで結婚式をしたいと書いたのだって、そんな豪華なホテルに泊まった事が無いから、いつかは行ってみたいなぁと単純に夢見ていただけだ。


スイスに新婚旅行というのだって、テレビで"アルプスの少女ハイジ"の再放送を見て、あんなに自然豊かな素敵な所に行ってみたい!チーズ食いたい!干し草のベッドで寝てみたい!ヤギ達とたわむれたい!


ブランコに乗って「おじいさーん」と思いっきり叫んでみたい!と単純に思ったからなのだ。

< 81 / 108 >

この作品をシェア

pagetop