透明水彩
◆◆◆
「………ん。」
ゆっくりと瞼を開くと、ほのかな光が目を刺激する。
段々光に慣れてきた目が捉えたのは、間違いなくあたしの部屋の光景ではない。
そしてそこが大広間であると認識するまで、それからたっぷり十秒はかかった。どうやらあたしは、大広間にある大きなソファーに寝ていたらしい。ご丁寧にも、タオルケットまで掛けて。
でもあれ、何でだろう。
どうしてあたしは、こんな所に?
自らを取り巻いている状況に、イマイチついていけない。
「…あ、起きました?」
そんなあたしの視界を遮るように、ハニーブラウンの髪を揺らしてあたしの顔を覗き込んできたのは同い年の少年。
綺麗なエメラルドグリーンの瞳があたしを映しているのを見て、不意に、自らが晒した醜態を思い出す。
そして、気づく。
壁時計がすでに、一夜を明かして朝の時間をさしているということに。