灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
突然笑い出したゆら。
その後寂しそうに微笑んで
そして、ゆっくりと躰は倒れていく。
『あっ…………!』
声に出した時にはもう遅かった。
間に合わなかった。
気付けばバシャバシャと川に入り
大の字になって浮かぶゆらを
すくい上げていた。
頬を叩いても揺らしても
瞳は開かない。
嘘だろ……!?
この高さで死ぬはずがない。
口元に耳を当てるとまだ息はある。
脈も心臓も微かに動いている。
『ゆら…!ゆら…!』
とっさに呼んでいた。
応答はないが、おそらく脳しんとうを
起こしていると判断し
抱きかかえて川から上がる。
服を絞ってゆらには上着をかけ
ポタポタと雫を落としながら
車まで走った。