灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



始めは裏切られたと思った。
心の中で笑われている気がして
気が狂いそうだった。
“異常者”というレッテルは
どこまでもつきまとう。



心のどこかでいつも怯えてる。
あたしは健常者じゃない。
普通のことが出来ない。
笑えない。
幸せになれない。



誰かを頼ったり
支え合うことなんか出来るはずも
なかった。



それを覆したのは郷田……
あんただよ。



あんたに出逢って
何もかもが色を帯びた。
悔しいくらい
胸がざわついている。



無意識に欲情したの、
初めてだよ。
後先関係なく、繋がりたいと思えた。



あんたはあたしの、最後の光……。



信じて…いいよね…?



一緒に逃げるなんて言わないで。
あんたに愛されて初めて知ったの。
愛し返してあげるから、
あたしはあんたを巻き込まない。



だからあんたもたくさん愛して……
あたしの中に刻んで……












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