ガリ勉くんに愛の手を
僕と佐奈。

二人で出掛けるなんてあの海以来…

「歩いたら、20分ぐらいかかるわ。
ベン大丈夫?歩ける?」

「あ、はい。」

頬が熱い。

あの時はまだこんな感情全くなかったし、こんなドキドキも……

これが恋なんだ。

初めて知った。

……恋。


1週間前――――

あの時、僕は思いつめた顔をして椅子に座っていた。

「どうしたんや、ベン。何か悩みでもあるんか?」

(やっぱり、おっちゃんは気づいていたんだ。
僕の病気の事を……)

これ以上は隠しきれない。

佐奈には絶対言えないが、おじさんにだけ本当の事を言っておこう。

この先、僕に何かあったら、その時は佐奈の事を…

「おっちゃん、実は僕…
本当は…
心臓病なんです。」

シ――――――ン。
  …沈黙…

「えっ、え――――?!
 ウソやろ?!」

「隠してて、ごめんなさい。
でも、こんな事…
みんなに心配かけたくないし……」

おじさんは心配そうに僕の顔を見ていた。

(そんな顔で見ないで、辛くなるから…)

「いつからや?」

「半年ぐらい前から…」

「それで、病院には行ったんか?」

「いえ…」

「お前、アホちゃうか?!
お父ちゃん、医者やろ?
なんで診てもらえへんねん?!」

「もう、遅いんです。
…手遅れなんです。」

僕は、おじさんに今までの病状を詳しく話した。


大沢のおじさんが僕に教えてくれたんだ。
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