ガリ勉くんに愛の手を
「あ、あの佐奈さん!」

「え?」

(うわ、どうしよう。何て言おう…)

声をかけたものの、頭の中が一瞬、真っ白になってしまった。

あんなにおじさんと練習したのにいざとなると、言葉が出てこない。

(がんばれ、勉、お前も男だろ。)

「えーと、あのー、実は僕…」

「何?」

佐奈は気が短い。

「実は… 僕…
あの、佐奈さんの事…」

一生懸命、目を真っすぐ見ながら…

(もしかして、ベン、
うそ、マジで?!)

明らかに僕の態度がおかしい事に、佐奈が気付いたようだ。

(ベンが、うちに…

 …告白?!)

佐奈の表情が変わった。

(もし、そうやとしたら、なんて返事をしたらええのん?)

とまどう佐奈。

「ぼ、僕、佐奈さんの事が…」

(きたーっ!)
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