ガリ勉くんに愛の手を
そんな、こんなで結局、僕の思い違い?
…だった。

今、僕は佐奈に恋をしているんだ。

目の前に愛しい人が……

(佐奈…さん。)

心で呼びかける。

んん?!

いきなり佐奈が振り向いた。

「今、なんか言うた?」

【ぃえぃえ】と、手を振り否定した。

(ベン、いつの間にそんなギャグ覚えたん?)

(どんな地獄耳だ。まさか聞こえているとは…)

僕はあせった。

(よ、よし。これはチャンスだ。)

おじさんに教えてもらった、とっておきの方法で今、告白するんだ。

(ま、また胸が苦しい…
大丈夫、これは病気じゃないんだ。)

好きな人が近くにいるから…

少しずつ佐奈との距離を縮めていく。

今しかない!

僕は意を決して言葉を切り出した。
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