ガリ勉くんに愛の手を
うちは、今一人で浮かれてる。

いきなりやったけど二人は今日ここで結ばれる運命なんかなぁって…

すでに心の準備も始まってた。

あらゆる事が頭を駆け巡った、その時…!


(しまった!!)

うちは一番大事な事を忘れてた。

(今日の下着、トラのシマシマやんか~!
うゎ~、どうしよう…)


初めての経験やのに!

(もう、いきなりやから、準備もしてないし。)

この下着は阪神の試合を観に行く時、願かけでつけていく、うちの大事なもの。

(ある意味[勝負パンツ]には変わりないけど…)

なんてムードのない。

でも、今さらどうする事もでけへんし…

ベンはずっと、うちの手を握ってる。

(真剣なんや…)

いつもベンに偉そうにしてたけど、ホンマはこうやって強引に引っ張って欲しかってん。

やっと気付いてくれたんやね。

(ええよ、うち…根性決めたわ。
ベンがそうしたいんやったら…)

さあ、早く連れてって!
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