ガリ勉くんに愛の手を
「おっちゃん、何を考えているんですか?」

「ほんで、どこまでいったん?」

(どこまでって?)

「そこまで。」

「だから…佐奈と部屋に入ってナニをナニしたんか?」

「何が、何を??」

(あかん。やっぱりこいつにはストレートに聞かんと全然話通じんな~。)

お互いの意思が全く通じず、段々イライラしてきた。

「要するにホテル入ってエッチしたんか?!」

(エ、エッチ?!)

僕の顔は熟れたリンゴのように一瞬で真っ赤に染まった。

「おじさん!冗談はやめてください。
僕は父がエレベータに乗ったのを確認してすぐホテルを出てきました。」

「な、何―――?!」

(そりゃ、佐奈が怒るのも無理ないわ。)

おじさんは大きくため息をついた。

「お前、肝心な事聞くけど…
佐奈に伝えたんか?」

僕は一瞬言葉につまった。

「いえ…。」

「やっぱりな。
で、これからどないするつもりや?」

「僕…佐奈さんに嫌われてしまって…
もう無理かなって…」

「アホかっ!」

ドスの聞いた声。

僕は思わず、飛び上がった。
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