ガリ勉くんに愛の手を
(いつの間にか、ベンは…
ここのお客さんたちの人気者になってた。)

佐奈もわかっていた。

「佐奈、ベンはもう、うちの店の大事な一員や。
そう思えへんか?」

「おっちゃん、勝手な事して…ごめん。」

佐奈が僕を…
初めて認めてくれた。

「じゃ、また一緒に頑張ってくれるな。」

「うん、わかった。」

佐奈は素直にそう答えた。

「それと、もう一つ。
この前の、買出しの日…

あの時、二人でホテルに行ったんやろ?」

「な、なんでおっちゃんが知ってんの?」

(ベンに聞いたん?)

「おっちゃんまでうちをバカにする気?」

「佐奈、俺がお前をそんな目で見た事あるか?」

「いっつもやんか!」

(そりゃ、そうだ?)

「佐奈、誰もお前の事、バカにしてないし、からかったりしてないよ。」

「じゃ、なんでベンは…?

あの時、うちを連れ回して、あげくの果てに、何もなかったみたいに…

ひどいよ…」

それが佐奈の本音…
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