ガリ勉くんに愛の手を
僕が探そうとしている本。

それは、恋愛に関する参考書…かな?

色々ありすぎて迷ってしまう。

何しろ、今まで恋の悩みなど一度もした事がないし、聞いた事もない。

両親に相談する訳にもいかないし…

こうやって本を読めば、専門家の適切なアドバイスを受けられる。

そう思った。

少なくとも、おじさんよりは正しい意見を述べているに違いない。

本棚を一つ一つ目で追いながら奥へと進んで行く。

ドスンッ。

よそ見をしていて何かにぶつかった。

(イテテテッ…)

柱と思いきや、小太りなお兄さんにぶつかってしまった。

「す、すみません。
よそ見していて…」

そのお兄さんは、ニヤリと笑うだけで文句も言わずまた立ち読みを始めた。

(気持ち悪い…
でも何をそんな夢中になって読んでいるのかな?)

良く見ると、そのコーナーにはお兄さんだけじゃなく、サラリーマンらしき中年のおじさんや僕よりも若い中学生くらいの子もいる。

(ここには、一体どんな本が置いてあるんだろう…)

ますます興味が湧いてきた。
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