ガリ勉くんに愛の手を
(これだ。この感じをぶつけるんだ。
佐奈さんには、強引なぐらいがいい。)

「よし、僕もキスの練習をしてみよう。」

とりあえず、枕でやってみる。

しかし、思うようにいかない。

唇を当てるにも面積が広すぎてやっぱり雰囲気がでない。

何か人形のようなものがあれば……

あるには、ある。

僕の部屋にはいいものが置いてあった。

机の横に不気味に立っている人物…

それは、人体模型。

肌が露出していると言うより、皮膚の中が露出している。

仕方ない。
今はあれを使うしか…

(あれなら唇も一応あるし、目をつぶっていれば我慢できるかも知れない。)

早速、さっきの本を参考に実践してみる事にした。

「さ、佐奈さん!」

(やっぱり、さん付けしない方がいいかな?…よし!)

「佐奈!君が好きだ!」

模型に抱きつき唇を強引に奪う。

ブチュッ…

(おぉっ!いい感じ。
雰囲気が出てる。)

と、言いつつ目を開けるのが怖い。

自分で模型をゆすりながら、自作自演でいやがっているような雰囲気を出した。

(そして…段々力がぬけて僕の思いのままに…)


ゆっくりとその体?をベッドに倒す…
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