ガリ勉くんに愛の手を
バタン!

「つ、つ、勉…?」

ドアの前に立っていた母。

その顔は魔物でも見たように凍りついている。

(しまった、見られた!!)

「マ、ママ、違うんだよ。これは…つまり…
人口呼吸の練習で…」

普通では理解できない行動にショックを隠しきれない母。

耐え切れず、無言で階段を駆け下りていった。

(あーあ、
行ってしまった…)

仕方ない。

母には申し訳ないが、後で事情を説明しよう。

母はフラフラになりながら1階に降りて行き、ソファに崩れるように倒れ込んだ。

(ああ~勉、どうしてしまったの?
パパとママのせい?

あんな事があってストレスがたまっていたのね。
ごめんなさい…)

誤解をした母は一人罪悪感に狩られ、泣き崩れていた。
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