ガリ勉くんに愛の手を
「僕が佐奈さんを引きとめる。」

「ベン、もう諦めろ。」

「おっちゃん、卑怯だよ。

男が、一回決めたら相手がどう思おうと最後までやり通せ!って僕に言ったのはおっちゃんだよ?!」

「そ、そやけど……」

「なんで、こんな大事な事を一人で決めてしまうんだよ。」

「ベン、許してくれ。
佐奈は俺の娘みたいな存在や。

2年前、健二とあんな形で別れる事になって佐奈がどれだけ苦しんだか…

どれだけ、辛かったか…

それでも、またやり直したいって言うたんや。

佐奈も、悩んで出した答えやねん。

頼む、俺の一生の頼みや。

佐奈をそのまま行かせてあげてくれ…」

おじさんの目には大粒の涙が浮かんでいた。

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