ガリ勉くんに愛の手を
「佐奈さん?って呼んで良いのかしら。」

「え、ええ。」

「よくついて来たわね。」

(え?)

「まぁ、健二さんも大阪に戻って昔の彼女が懐かしくなったのかな?
でも色々と恋多き男だからね……」

(何が言いたいの?)

「じゃ、私も部屋に戻ります。
何か困った事があったらいつでも電話してください。
飛んで来ますから。」

(嫌味なヤツ。)

まりがいった後、佐奈は一通り部屋をのぞいてみた。

(一人で生活するには広すぎるくらいやな。)

想像より遙かに高級な場所で戸惑っていた。

寝室を覗き、そのままベッドに倒れ込む。

(あ~、疲れた。)

緊張の糸がほぐれたのか一気に眠気が襲ってきた。

この1週間、考える事が多すぎてほとんど眠れなかったから。

佐奈はそのまま深い眠りについていた。

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