ガリ勉くんに愛の手を
健二の前では気丈に振舞ったが、やっぱり酔いが回ってきたみたい。

なんとか食事をしている間は倒れないようにがんばろう。

「あ~、ごちそうさま。
ホンマ、めちゃめちゃ美味しかった。」

「ありがとう。
健二にそう言ってもらえるだけで作った甲斐があるわ。

じゃ、うち片づけるから。」

そう言って立ち上がった瞬間、よろけて倒れそうになった。

そんなうちを健二がヒョイッと抱き上げた。


「け、健二?
うち、大丈夫やから。」

「なんで、俺の前で我慢するねん。
ホンマは立ってられへんぐらい酔ってるんやろ?」

全部お見通しだ。

「片付けは、後で手伝ってあげるから。」

そう言ってうちを寝室まで運んで行く。

高鳴る鼓動、期待と不安が交差する。

部屋の電気は消えている。

ゆっくりとうちの体をベッドに寝かせた。

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