ガリ勉くんに愛の手を
会場の一番後ろで祈るように僕を見守っているあゆ美とイッコー。
(神様、お願いします。
勉君に無限の力を与えてください!)
あゆ美は何度もそうつぶやいていた。
(格好いいセリフも渋い言葉も僕には似合わない。
ただ素直に佐奈さんを想う気持ちをぶつければ…)
目の前に佐奈の姿を浮かべてみる。
「…僕には今、心から大切に想っている人がいます。
彼女は…
化粧が濃いし、とても気が強くて言葉遣いも悪い。」
静まり返っていた会場が一瞬で笑いに包まれた。
―【たこ萬】では
「ぎゃっはっはぁ~、今の言葉、聞いた?!
まるで佐奈の事言うてるみたいやなぁ。」
と、大沢のおじさんがテレビの前で冗談を言いながら周りを笑わようとしたが…
誰一人、笑っている者はいない。
「ん?!みんなどないしたん?
なんでウケへんの?」
そんな無神経なおじさんの肩を里美が軽く2回たたいてカウンターを指さした。
シュッ、シュッ、シュッ
中から聞こえる不気味な音。
(ひぇ~!さ、佐奈…?!)
佐奈が包丁を丁寧にといでいるではないか?!
それを見たおじさんは、
「い、今のは冗談や、佐奈はうちの看板娘やからな。
はっはっはっ…」
そう言い訳するとすぐに女子高生たちの中にもぐり込んだ。
(神様、お願いします。
勉君に無限の力を与えてください!)
あゆ美は何度もそうつぶやいていた。
(格好いいセリフも渋い言葉も僕には似合わない。
ただ素直に佐奈さんを想う気持ちをぶつければ…)
目の前に佐奈の姿を浮かべてみる。
「…僕には今、心から大切に想っている人がいます。
彼女は…
化粧が濃いし、とても気が強くて言葉遣いも悪い。」
静まり返っていた会場が一瞬で笑いに包まれた。
―【たこ萬】では
「ぎゃっはっはぁ~、今の言葉、聞いた?!
まるで佐奈の事言うてるみたいやなぁ。」
と、大沢のおじさんがテレビの前で冗談を言いながら周りを笑わようとしたが…
誰一人、笑っている者はいない。
「ん?!みんなどないしたん?
なんでウケへんの?」
そんな無神経なおじさんの肩を里美が軽く2回たたいてカウンターを指さした。
シュッ、シュッ、シュッ
中から聞こえる不気味な音。
(ひぇ~!さ、佐奈…?!)
佐奈が包丁を丁寧にといでいるではないか?!
それを見たおじさんは、
「い、今のは冗談や、佐奈はうちの看板娘やからな。
はっはっはっ…」
そう言い訳するとすぐに女子高生たちの中にもぐり込んだ。