ガリ勉くんに愛の手を
いよいよラストシーンを迎えた。
健二はポケットの中から小さな箱を取り出し、震える声でこうつぶやいた。
「これを、君に渡したくて……」
彼女は手の平に乗ったその小さな箱をじっと見つめながら彼にこう言った。
「ずっとここで待っていてくれたの?」
彼は白い息を吐きながらゆっくりとうなずいた。
彼女の頬にキラリと光る涙が。
彼はその涙をそっと指で拭い、彼女をギュっと抱きしめた。
「愛してるよ。」
ずっと君に伝えたかったこの想い。
今やっと届いたね。
……end
「カーット!」
撮影が終了し、モニタを見ながら今のシーンを確認する。
撮影監督とちあき、主演の二人も後ろで覗きこんでみていた。
(1発OKやな。)
自分の演技に自信満々な健二。
そんな健二とは違い、ちあきは画面をじっと見ながら無言で考え込んでいる。
そして、
「もう一回撮り直し。」
ちあきの一声で周りにいた関係者たちがざわめいた。
その言葉に納得できない健二は顔を歪めてちあきをにらんだ。
(なんでやねん!?何があかんかったんや?)
撮り直しに不満を抱いたが、ここは気持ちを切り替えてもう一度撮影に臨む事にした。
そして2度目の撮影が終わり、再度確認をする。
撮影監督の山崎がちあきに声をかけた。
「今度はどう?」
ちあきの返事を待っているのは後ろで立っている健二も同じ。
なかなか結論を出さないちあきの態度に苛立ちを隠せない。
健二はポケットの中から小さな箱を取り出し、震える声でこうつぶやいた。
「これを、君に渡したくて……」
彼女は手の平に乗ったその小さな箱をじっと見つめながら彼にこう言った。
「ずっとここで待っていてくれたの?」
彼は白い息を吐きながらゆっくりとうなずいた。
彼女の頬にキラリと光る涙が。
彼はその涙をそっと指で拭い、彼女をギュっと抱きしめた。
「愛してるよ。」
ずっと君に伝えたかったこの想い。
今やっと届いたね。
……end
「カーット!」
撮影が終了し、モニタを見ながら今のシーンを確認する。
撮影監督とちあき、主演の二人も後ろで覗きこんでみていた。
(1発OKやな。)
自分の演技に自信満々な健二。
そんな健二とは違い、ちあきは画面をじっと見ながら無言で考え込んでいる。
そして、
「もう一回撮り直し。」
ちあきの一声で周りにいた関係者たちがざわめいた。
その言葉に納得できない健二は顔を歪めてちあきをにらんだ。
(なんでやねん!?何があかんかったんや?)
撮り直しに不満を抱いたが、ここは気持ちを切り替えてもう一度撮影に臨む事にした。
そして2度目の撮影が終わり、再度確認をする。
撮影監督の山崎がちあきに声をかけた。
「今度はどう?」
ちあきの返事を待っているのは後ろで立っている健二も同じ。
なかなか結論を出さないちあきの態度に苛立ちを隠せない。