ガリ勉くんに愛の手を
その通りだ。

「お笑いって言うのは人を笑わせて幸せにする芸人の事や。
最近は東京でもお笑ブームやから知ってると思ったけど。」

東京にいる時からそんな事、知らなかった。

「テレビ見てないの?」

「はい、小学校の頃に教育テレビを見ていましたが今はまったく。」

おじさんは呆れた顔で、

「ベン君の親はあかんな。
なんぼ勉強できてもテレビも見てなかったら世間について行かれへんし、大人なってもろくな人間になられへんで。」

(そうなんだ…)

おじさんの話はやけに説得力がある。

僕は段々不安になってきた。


「そうや!これからたまにうちの店に来たらええわ。
俺が大阪弁とお笑い教えたろ。」

え???

「あの、おいくらで~」

「アホか、お金もらう気なんかないわ。
ここ座ってたら自然に覚えるやろ。」

ニヤリと笑うおじさんの顔。

なんだか希望が湧いてきた。

(がんばろう。)

僕は立派な大人になる為、ここに通ってみようと思った。
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