ガリ勉くんに愛の手を
また一つ嘘をついた。
親には塾の補習を受けると言って週2回【たこ萬】に通う始めたのだ。
(ママ、ごめんよ。
僕、早く大人になりたいんだ。)
もうすぐ大阪に来て1年になる。
【たこ萬】でお客とおじさんの会話を聞きながらメモを取る。
実践だから覚えも早い。
ただやりにくい点が、一つ…
[ガングロギャル]の佐奈がバイトをしている事。
まだ彼女とはまともに話した事がなかった。
今もあの事のお礼も言えずにいる。
おじさんがお客にギャグを飛ばす。
「アホちゃいまんねん、天然でんねん。」
(おお~。なんて難しい言葉遣いだろう。)
僕は新しい言葉を聞くたびにメモを取りながら一人感動していた。
「ガリ勉くん、あんたおっちゃんのしょうもないギャグ覚えんほうがいいよ。」
それを聞いておじさんも反論する。
「佐奈、お前ひどい事言うな~
これでも昔はミナミでお笑いの神様って言われてたんやで。」
おじさんは誰も知らない過去の栄光について熱く語っている。
「あかん、あかん。
そんなギャグやからクビになったんやろ。」
「う~っ、いつもキツイな、佐奈は……」
おじさん、本当の事を言われてショックを受けている。
そんな佐奈とおじさんの会話が本当の漫才のようで面白かった。
家族でもないのにこんなに信頼しあえる関係って一体なんだろう?
ふと、そんな事を思う。
ここへ来るようになって佐奈に対して印象が少しずつ変わってきた。
見た目は怖いが根はまじめで本当に働き者だ。
唯一、僕が理解できないのは化粧が変?!
僕はこの場所で言葉よりも大切な何かを見つけられる気がした。
見た目は怖いが人情にあふれた大阪の人たち。
(ずっとここでみんなと…)
新しい自分を見つけられるきっかけになりそうだ。
親には塾の補習を受けると言って週2回【たこ萬】に通う始めたのだ。
(ママ、ごめんよ。
僕、早く大人になりたいんだ。)
もうすぐ大阪に来て1年になる。
【たこ萬】でお客とおじさんの会話を聞きながらメモを取る。
実践だから覚えも早い。
ただやりにくい点が、一つ…
[ガングロギャル]の佐奈がバイトをしている事。
まだ彼女とはまともに話した事がなかった。
今もあの事のお礼も言えずにいる。
おじさんがお客にギャグを飛ばす。
「アホちゃいまんねん、天然でんねん。」
(おお~。なんて難しい言葉遣いだろう。)
僕は新しい言葉を聞くたびにメモを取りながら一人感動していた。
「ガリ勉くん、あんたおっちゃんのしょうもないギャグ覚えんほうがいいよ。」
それを聞いておじさんも反論する。
「佐奈、お前ひどい事言うな~
これでも昔はミナミでお笑いの神様って言われてたんやで。」
おじさんは誰も知らない過去の栄光について熱く語っている。
「あかん、あかん。
そんなギャグやからクビになったんやろ。」
「う~っ、いつもキツイな、佐奈は……」
おじさん、本当の事を言われてショックを受けている。
そんな佐奈とおじさんの会話が本当の漫才のようで面白かった。
家族でもないのにこんなに信頼しあえる関係って一体なんだろう?
ふと、そんな事を思う。
ここへ来るようになって佐奈に対して印象が少しずつ変わってきた。
見た目は怖いが根はまじめで本当に働き者だ。
唯一、僕が理解できないのは化粧が変?!
僕はこの場所で言葉よりも大切な何かを見つけられる気がした。
見た目は怖いが人情にあふれた大阪の人たち。
(ずっとここでみんなと…)
新しい自分を見つけられるきっかけになりそうだ。