ガリ勉くんに愛の手を
日曜日の夕方。

今日は久しぶりに家族全員集合だ。

食卓がにぎやかで祖母の機嫌が良い。

父がいるからだ。

「勉、大阪の生活は慣れたか?」

「はい、ぼちぼち。」

「……」

父と祖母が顔を合わす。

「結構、関西弁に慣れてきたようだな。」

「塾で親切に教えてくれる友達がいて少しですが、覚えました。」

「そうか、それは良かったな。
で、他にどんな言葉を覚えたんだ?」

急に言われてもすぐには思いつかない。

「ちょっと、待っていて下さい。」

急いで部屋へと駆け上がる。

「勉、どうしたんでしょうね?」

「さあ……」

みんな不思議そうな顔をして待っていた。

そしてあのメモ帳を片手に父たちの前へ出た。


「え~と…、
おーきに、すんまへん、ホンマかいなそうかいな、
アホちゃいまんねん、天然でんねん。」

みんな、唖然として言葉を失った。
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