さくらシンドローム

花火が終わった後も、何も聞けないまま、凜太郎たちと別れた。

家に帰ると、父さんと母さんはすでに帰っていた。

「ゆきおかえり。」

何故かニヤニヤしている両親。

「…なんだよ。」

「あの子、彼女でしょ?」

「はあ?」

「途中でいなくなったから心配して探したのに、浴衣の女の子と手つないで歩いてるし。」

「いや、ちが…」

「今度ちゃんと紹介しなさいよー。」

「違うってもう!」

「照れんな照れんな。」

ダメだ。通じない。

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