さくらシンドローム

「でも申し訳ありませんが、一般生徒に名簿を公開することはできないのです。」

「どうしてだよ!」

「名簿には住所や電話番号が記されているので…」

「だったらなおさら見せてくれよ!『さくら』の住所も電話番号もわかるってことだろ!」

「…あなたみたいな人がいるから見せられないんですよ。」

「なんだとお!」

「おい桐生!ごめんね〜凜ちゃん。」

「…いえ、こちらこそすみません。生徒を守るのが生徒会長の役目なのです。情報が流出したら生徒が危ない目に遭うかもしれません。わかってください。」

「…チッ。行くぞ。ズッキー。」

「え、あ、うん。またね、凜ちゃん。」

幸雄と瑞樹は生徒会室をあとにした。

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