さくらシンドローム

「あれ、そういえば凜太郎、高校のやつには女装してることバレてないって言ってたけど…。」

和波は首を傾げる。

「…あ…いや、たまたま女装してるとこ見ちゃって。」

「そうなのか。あいつも大変だからな。」

「…大変?」

「家族のことだよ。…あれ、まさか聞いてない?」

「なんだよ家族のことって。」

「あー…そこまでは話してないのか…ごめん、聞かなかったことにしてくれ。」

「は、」

「それじゃあな。」

「え、ちょっと!」

和波は凄まじい速さでいなくなった。

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