Luck TesT
「真也、どこに行ったんだろうね」

帰り道、ぽつりと葵が呟いた。

「…そうだな」

少し複雑そうに、結斗は頷いた。

「結斗、私ね、思ったんだけどさ」

「なんだ?」

葵は結斗の方を見て、笑って言った。

「最終ステージは、期限がないって、メールにあったの覚えてる?」

その言葉に、結斗はそうだっけ?と聞き返す。

「うん。布施さんに携帯確認させてもらったけど、4番目のステージの時に、時間制限があるって書いてあって、そのあとに、最終ステージには時間制限がないって、書いてあったんだ」

葵の言葉に、そうか、と結斗は呟いた。

「だからね?このまま、お互いに何もせずにいてもいいってことじゃないかな?って、思ったんだけど」

その言葉に、結斗は目を丸くした。

「最終ステージは、私たちが殺しあうようにってなってたけど。でもいつまでにとか、期限がないんだったら、このまま何もしなくてもいいわけじゃない?」

ドヤ顔で結斗を見た。
その表情を見て、結斗は笑った。

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