誓~天才演技者達の恋~

トップ生徒の二人。



「行ってらっしゃい、ユリアさん」


和人の言葉に頷くと、ユリアは明華の門を潜る。

桜が満開に咲き、風にのってヒラヒラと落ちる。


「綺麗だわ...」


高1になったユリアには、恋愛系の話がよく上がった。

でもまだ、世間に城崎賢斗の彼女。という認識はされていない。

つまりはバレていないのだ。


「何で...みんないないのかしら?」

「Yuria?」


ユリアはゆっくりと振り返る。

彼は、ユリアの前髪についた桜を取ると、桜の花びらを風にのせた。


「日比野君...」

「卓也でいいのに。特例なんだね。」


卓也の言葉に頷くと、ユリアはこの前のお礼をする。

頭を下げるユリアに、卓也は優しく微笑んだ。


「いいんだよ。俺が勝手にやったことだし」

「でも、付き合ってる説とか出ちゃったし...彼女の歌原由梨さんにも迷惑かけちゃったと思うから....」


卓也は一瞬、傷ついた表情を見せる。

ユリアはその表情に、口を開けた。


「どうしたの?深刻な顔して」

「.....卓也くん?」

「ん?」


ユリアは喉まで来ている言葉を言おうか悩む。

でもあの顔は、ずっと残って離れようとしない。


「歌原由梨さんと付き合ってるのって...本当ですか?」


卓也は案の定、目をパチクリしてユリアを見る。

すると卓也は鼻で笑って、ユリアと目を合わせた。


「付き合ってるよ。
たとえ愛がなくても....。
身体を重ねること、唇を重ねることは出来るらしいからね」

< 119 / 252 >

この作品をシェア

pagetop