誓~天才演技者達の恋~
______
___________
「卓也。外は記者でいっぱいだから、裏に車をつける」
「分かりました」
灰田の言葉に頷くと、卓也は楽屋のソファーに腰をおろす。
そして、鞄から薬を取り出した。
机の上の携帯が、バイブと共に動く。
「はぁ...電話か...」
卓也は通話ボタンを押した。
聞こえてきたのは、城崎賢斗の声だった...。
「何?」
『ゴメン。今まで黙ってて』
卓也は何も言わず、時間を過ごす。
『手放したくなかった。
それが俺の正直な気持ち。
でもいつか、この時が来ると分かっていた。』
「....」
『俺が俳優になったのは、白野百合亜に会いたかったから。
一緒にやってみたかったから。
それだけの理由で、俺はここまで走ってきた。
チャンスだと思った。
記憶喪失でも、彼女は演技の才能を秘めていて
彼女を知るたびに...
オマエに返したくないっていう思いが強くなった。』
卓也は薬を口に入れ、お茶を含む。
そして飲み込むと、ソファーに寝転んだ。
『さすがに、ユリアがYuriaとして活動するって聞いた時は驚いた。
芸能人になるってことは、オマエに近づくことだから...
怖かったんだ。
離れていくことが...。
女々しいよな...
ズルイよな.....
でも俺はそれくらい
白野百合亜を...菊花ユリアを...愛していた。
でもオマエには、勝てなかった。
それを中三の演戯祭で思い知った。
オマエは...百合亜のこと..
まだスキか?』