もしも君が。


「まりあとままと別れて単身赴任するって言ったときにね、もうぱぱとままは離婚してたんだってー……」


切なく笑うまりあを、僕はただただ見つめる。


いや──見つめることしかできないんだ。


「知らなかった……まりあ、離婚してたなんて……」


ぼそっとそう言って、まりあは僕の前から姿を消した。

そして隣の部屋からはまりあの泣き声が聞こえていた──…


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