最後の恋


「っていうか早くない?来るの」

そう聞きながら私はテーブルの上にお水を置いた。

「うん!あの電話の時もう近くまで来てたから」

「えっ?」

「会いたかってんどうしても」


テーブルに置いた水に手を伸ばしながら椎名がそう言った時、カタンという音と共にグラスが倒れた。


「あっ!ごめんなさい!すいません!」

零れた水を見て慌てたように立ち上がった椎名は私が取りにいったタオルで急いでそれを拭いてくれた。


「ほんまごめんなさい」

「いいよ別に水だし」

シュンとなった椎名にそう答えたけど、俯いたままなかなか顔を上げない。


「どしたの?」

「莉奈さん…俺、ほんまに莉奈さんのこと好きやねん」

「うん」

「最初は見てるだけで良かった。付き合えるなんて思ってなかったから…見てるだけで良かった」


酔っているからか、椎名は床に座り込んだまま俯いて言葉を続ける。


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