最後の恋
「本当綺麗だね、エリ」
「うん、めちゃくちゃ綺麗」
式が終わると、チャペルの外のガーデンで参列者との写真撮影が始まった。
私とサキはその姿を見つめながら一番最後まで待った。
そして。
「おめでとうエリ」
「ありがとうサキ」
「エリ…本当に綺麗。おめでとう」
「ありがとう…莉奈」
やっとそんな言葉を交わし、新郎とエリと四人で、私達三人で、それからエリと二人で、たくさん写真を撮らせてもらった。
「あ、そうだ」
そして、写真を撮り終えた時だった。
「あのさ…ごめん、二人にお願いがあるんだ」
エリがそう口を開き、私達は、ん?と、首を傾げた。
「披露宴の友人代表のスピーチ、二人にお願いできないかな?」
「えっ!?」
「えっ!?」
思わず重なった声。
「えっ、私莉奈に頼んでるのかと」
「えっ、私はサキに頼んでるのかと思ってたんだけど」
驚いて、サキと顔を見合わせた。
「私もどっちに頼もうかってずっと悩んでたんだけど…」
エリはそう言うと、申し訳なさそうに言葉を続ける。
「でも、選べなかったんだ。どっちかじゃ嫌だったの。だから…ごめん!何でもいいの、一言だけでもいい…二人にお願いしたいんだ」
エリにそう言われ、思わずクスッと笑ってしまった。
「もう、本当急すぎるじゃん。あーどうしよ…うまく話せるかな」
私が言うとサキも笑う。
「普通は書いて読むのも練習して、って感じでしょ?ぶっつけ本番じゃん、噛むよ?私」
「うん、いい。噛んでもいい」
エリはそう言うと、嬉しそうに笑った。
「エリ!」
「ごめん、行かなきゃ。また後でね」
「うん」
新郎に呼ばれたエリは慌ただしくその場をあとにし、残された私達はまた目を合わせて笑い合った。
「どうしよう、スピーチ」
「だね…まぁとりあえず飲んで勢いつけようか。いつもの私達でいんじゃない?」
「ははっ、そうだね」
サキにそう言われると、堅苦しいスピーチは私達には必要のないものなのかもしれないと思えた。