最後の恋
そして、前方のメインキャンドルに火が灯ると、会場の照明が少しずつ明るくなり、新郎新婦はまた高砂席へと戻った。
ふと、エリと目と目が合う。
ニコッと笑ったエリに、笑顔を返す私。
今日、この場所にいられて本当に良かったとエリの笑顔を見てそう思った。
「それでは、続きまして、新郎の中学時代からのご友人であるミサキハヤト様より、ご祝辞をいただきたいと思います。ミサキ様、どうぞ前にお進み下さい」
拍手が鳴りだす会場。
スーツ姿の新郎の友人がスタンドマイクの前に立つと、ついにスピーチの時間が来たのかと一瞬でドキドキが加速していった。
正直、新郎の友人のスピーチはしっかり聞いていられなかった。
次は自分達の番。どうしよう、何を話そうとただただ必死で考えているうちに、また拍手が鳴りだしていて、新郎の友人からのスピーチは終わってしまっていた。