ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「あの時は悪かったな。あきら、どうしてる?」
私は、あきら君に彼女ができたことと、バイトで全く会わなくなったことを話した。
片桐さんは静かに聞きながら、手に持った缶コーヒーを揺らしていた。
バイトのメンバーで忘年会があったけど、私は学校があったので行かなかった。
行こうと思えば行けた。
でも、行かなかった。
美琴ちゃんの彼氏になったあきら君に、どんな顔して会えばいいのかわからなかった。
「あきらも、一歩前に進んだってことか。優海のことは吹っ切れたんだ」
「あきら君の気持ち、知ってたの?」
「知ってるも何も俺はずっと言ってただろ?見てればわかる。でも、俺には真似できないな、アイツの愛し方は」
片桐さんを殴ったあの日。
あきら君は、私のことが好きだと片桐さんに言ったんだって。