ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「あきらに言われて、もしかしてと思ったんだけど。まさかな。そんなことねーか」
「そうだよ。そんなわけないよ。片桐さんみたいな人気者を好きになるなんて、ありえないよ」
と言った後で、あきら君の顔が浮かんだ。
“素直になるのは今だろ”
そんな声が聞こえた気がした。
素直になる?
私、言える?
もう誤魔化したくない。
今なら・・・・・・言える。
「ごめんなさい。嘘・・・・・・」
「え?」
「私、ずっと片桐さんに憧れてて・・・・・・」
憧れじゃない。
本気で好きだった。
「ずっとって・・・・・・?この前言ってた小学校の頃のこと?」
「うん。もしかしたら初めて会った日から好きになっていたのかもしれないな。別に片桐さんと付き合いたいとか、気持ちを伝えたいなんて思ってなかったの。ただ、片桐さんを見ていたかった・・・・・・」
キラキラ輝く片桐さんを影からずっと見つめていたの。
ずっと、ずっと・・・・・・