ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「メールとか、電話とかあんだろ」
「知らないの、何も」
あきら君は呆れたように大きなため息をついた。
「俺が教えてやるから、メールくらいしてみろよ」
「え?片桐さんのアドレス、あきら君知ってるの?」
「ああ。メールしたことねーけど、赤外線でデータ送ってもらった」
「あはっははは」
あきら君てば、面白いことを言うんだから。
「優!!何がおかしいんだよ」
「そんな特殊な能力あったんだ~、片桐さんとあきら君」
赤外線を体から発射できるなんて・・・・・・
てか絶対私のことからかってるよね。
「嘘つき~、あきら君のバカ~赤外線でデータを送るなんて宇宙人みたい」
「はぁ・・・・・・情けないけど、それがお前なんだよな。天然でバカで処女で・・・・・・」
あきら君に、赤外線通信について詳しく教えてもらい、私は顔がゆでだこのように真っ赤になった。
恥ずかしい。
今どき、誰でも知っているらしい。
「ほら、これで良いんだよ。お前も赤外線デビューだな」
私の携帯に、片桐さんの電話番号とメールアドレスが記憶された。
どうしよう。
知ってしまった。
でも・・・・・・
どうしていいかわからない。