ハニートースト ~カフェで恋したあなた~





みゆきさんとはどうなったんだろう。




聞きたいけど、聞けなくて・・・・・・






困っていると、片桐さんから話してくれた。







「みゆきとどうなったかって思った?」




「あ、うん。付き合ってるのかなって思ってた」




「あれから、何度か会ったけど、やっぱり俺の中であの映像が消えなくて。空港で別の男と笑ってるアイツが」






何年も忘れられないくらい好きだった人。




好きだからこそ、傷は深かったんだね。






「好きだって言われた。みゆきに・・・・・・」




「みゆきさんも好きだったの?ずっと」




「ずっと好きだったって言われたけど、信じられなかった。俺を捨てて、別の男と暮らして、それで別れて・・・・・・また俺に戻るってか?そんなの勝手だろ」





それでも許せると思った。




あの愛しそうに話す片桐さんを見ていると、全部許せちゃうんじゃないかって。







「正直、嬉しかった。好きだって言われた時は。でも、やっぱり信じられないなって思ったんだ。それに、一緒にいても・・・・・・違うっていうか、疲れるんだよ。だから、もう会わないことにした。今の俺にとって、一緒にいたいのはみゆきじゃないと思った」




何年も想い続けた人なのに、時間が経つと想いも変わってしまうのかな。


いつか、私の中の片桐さんも・・・・・・


変わってしまうんだろうか。







車の中はコーヒーの匂いがしていた。





きっとこれからコーヒーを飲むたびに思い出す。




今日のこと。








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