ハニートースト ~カフェで恋したあなた~




男の人が嫌いになりそうだった。




でも、あきら君と片桐さんのおかげで、暗闇から抜け出せた。




私がバカだっただけなんだ。



勝手に、信じてた。



話しやすくて居心地が良いと思っていたのは、航太郎さんがそう感じるように演じていただけだったのかもしれない。






「何かあったんだろー?俺に会いたかった?」




公園のベンチに腰掛けると、片桐さんは少し甘い声でそう言った。



「え・・・・・・、まぁ、はい」




今までなら、冗談で返せていたのに、告白しちゃったからどう返事していいのか・・・・・・


だって、会いたかったんだもん。





「な~に?俺に何でも言ってみー」




疲れているせいか、今日の片桐さんはいつもよりも声が甘い。





「うん・・・・・・」




「何だよぉ~!!こら、俺に言えないことでもあんのか!」






私の頭をガシっと掴み、左右に振る。






「あのね・・・・・・何から話していいかわからないんだけど」




「いいよ。ゆっくり聞くから。優海のペースで話してくれていいよ」





さっきまでの甘い声じゃなく、急に低くて頼りがいのある声に変わった。






話そう。



全部。





私が悲しかったこと、全部聞いてもらおう。






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