ハニートースト ~カフェで恋したあなた~








「学校で・・・・・・仲良くなった男の人がいたの。でも、付き合うとかそういうんじゃなくて、本当に友達って感じで。一緒にケーキ食べたり、勉強の話をしたりするくらいで」






そこまで言った時点で、片桐さんの表情が変わった。



まだ本題に入ってないのに。






「すっげー、ムカつく。俺に無断でそういうことしてたわけ?」





予想外だった。



これって、あきら君が言ってた“嫉妬”??



まさか・・・・・・







「ごめんね、誰にも話してなかったんだけど」




「誰にも話してないなら、俺に話せっつーの!!」




「そうだよね。でも、女友達みたいな感じで、何もなかったから」




「ふ~ん。でも、相手は男だろ?」




「うん」



不機嫌な顔。


怒ってくれてるとしたら、すごくすごく・・・・・・嬉しい。


私のこと、少しは特別に想ってくれてるのかな。






「お前、もしかして、その男のこと、好きになったとか?」





片桐さんはニヤリと笑って、私の肩を押した。




あれ?


嫉妬じゃない。


これ、絶対違う。






「優海が新しい恋を見つけたんなら、俺は応援するぜ」




と爽やかな笑顔で親指を立てた。







違う。



そうじゃない。


違うよ、片桐さん。




私が欲しかった言葉はそんなんじゃない。






さっき怒ったのは、やっぱりお兄ちゃんとしてだったの?




そういう男性がいるのに話してくれなかったことに怒っただけだったんだ。



嫉妬なんてするわけないよね。






< 195 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop