ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「わだぢも、ずぎでじゅ・・・・・・」
涙でぐちょぐちょになった顔で、気持ちを伝える。
「ああ、わかってるよ。お前の気持ちはちゃんと届いてる。長い間、待たせてごめんな」
片桐さんの大きな手が、私の頬に触れる。
涙をぬぐってくれた後、頬に片桐さんの頬を当てる。
「待たせた分、大事にするから。俺のことだけ見てろ。いいな?」
頬と頬が触れ合ったまま、片桐さんの声が脳に響く。
夢じゃないんだよね。
あの片桐さんが私のことを好きだと言ってくれた。
大事にすると言ってくれた。
「夢・・・・・・みたい」
「夢じゃねーよ」
「信じられない」
「俺も、信じられない。今頃気付くなんて・・・・・・バカだな、俺」
片桐さんは、目を細くして笑った。