ハニートースト ~カフェで恋したあなた~




「聞こえただろうけど、そういうこと」




戻ってきたあきら君は、私を心配そうに見た。





「うん。わかった」




「きっと、お持ち帰りすると俺は思う」




「お持ち帰りって何を?」





呆れたような表情になったあきら君はため息交じりに言う。






「彼女を・・・・・・だよ。一晩過ごすってこと。やっぱり優は天然バカ処女だな」





「・・・・・・その通りだよ」



言い返すこともできなかった。



初めてのデートでいきなり一晩一緒に過ごすの?



エッチ・・・・・・をするってこと?




そういうものなの?





知り合って、お互いをよく知って、付き合ってからするものじゃないの?








「また落ち込んでんの?まさか、優って結婚するまでエッチしないなんて思ってる?」




「悪い?」





結婚するまでとは思ってないけど・・・・・・


でも、それくらいの覚悟がいることだと思ってる。





「そういう女が日本にひとりくらいいてもいいとは思うけど」





あきら君はそう言って、私の肩をトントンと叩いた。




こうして男性に触れられることすら慣れていない。






< 39 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop