水晶の涙



「…戻ろう、アリア。」


『……ぇ…』


「皆の所に戻ろう。皆、待ってる。」


そう言って、カイ君は私の手首を握って教室の外へと行こうとする

けど、私は―――


『ぃ…行きたくない…』


その場に踏み止まる様に、足に力を入れた


「…アリア?」


『……』


皆って…何?

ルシルちゃん達、の事?

待ってるって?

さっき、拒絶されたのに?


少し俯いて、床の一点をジッと見る

顔を上げようとしない私を不思議に思ったのか、カイ君は私の顔を覗き込む

その時だった





< 169 / 171 >

この作品をシェア

pagetop