いじわるだけど好きな人

――――――

学園祭が終わり、私は一人で最後の片付けをしていた。
みんな塾があったりモデルの学校だったりなんだか用事あるみたいで忙しそうだった。

だから何もない私は残った。

ガタンとドアのほうで音がして慌てて見ると、先輩がいた。

「樋浦、また残ってんのかよ?いいように使われてんじゃねぇか」

クスクス笑いながら、先輩は近くの机に座った。
ぼーっと座っている。

「な、何してるんですか?先輩」

「何って、分かれよ。お前待ってる」

ドキンと胸が鳴る。
そんなこと言われたら、私はもっと…今以上に好きになっちゃうじゃない…。

「そっ…そうですか。じゃぁ、急いで片付けますね」

できるだけ平静を装って片付けを再開する。

シーンとしている。
そんな中で時計の音だけが鳴り響いている。


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