恋した鬼姫
出会い
セラは、昼になっても秘密の部屋にいた男のことが気になって仕方なかった。
時間も立つにつれてなぜ急に黙ったまま倒れたのか、怖さよりも好奇心が増えていた。

セラは、誰にも会わないようにこっそりと図書館に向かった。そして、またあの場所にいって見ようと決心した。

「何か武器を持ったほうがいいかしら。」
セラは、図書館にある「ほうき」を持ってまた秘密の扉を開けた。部屋は、昼間でもそんなに明るくはないが少し薄暗いぐらい程度で部屋の様子を伺うことはできた。

そして、セラがふと横の壁を見ると壁を背にして横倒れている男が血を流していた。


セラは、恐る恐るその男に近づき持っていた「ほうき」でつついてみた。

男は、ピクリとも動かなかった。目をつむってはいるが苦しそうに息はしていた。

「大丈夫ですか?」セラは、声をかけたが男は返事をしない。

「怖い人だけど、…ほっとけないわ。」

セラは、急いで秘密の扉を開けて鬼の国に戻った。薬や食べ物など袋に積めるとまた秘密の部屋に戻った。
男は、まだ眠ってたまま苦しそうに息を切らしていた。

セラは、持ってきた袋から布と水を出し、桶に水を溜めると布を浸し、男の体についた汚れと血を拭いた。
そして、また袋から塗り薬を出し傷口に塗ると男が急に卯なり声を出した。

セラは、驚いて後退りをして、また男が静かになったら手当てを続けた。

セラは、朝と昼と夜に1時間だけだが毎日3回欠かさずに男の看病をした。



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