カラス君と黒猫さん




「照ーれーるー。」

「うん、照れてるね」

「カラス君もきまってるじゃん。こう言う仕事した方が儲かるんじゃない?カラス君」

「・・・・・・どう言うこと・・・・・・・・」


黒猫さんが再び俺の髪を後ろへ流す作業に入る。



「髪、長めだよねカラス君」

「あぁ・・・・・・そうだね。最近切りに行ってないなぁ」

「切ってあげようか?保証しないけど」

「うっ・・・・・・・いいです」


黒猫さんがワックスを掬い、前髪を固められたかと思ったら、余った髪を縛り始めた。



「えっちょ、」

「しばれるー。すごーい」

「黒猫さん?遊んでない?」

「あー良いんじゃない?かっこいいよカラス君ー。」

「黒猫さんんん?」


頭のトップの髪を纏められ、器用に縛られる。



・・・・これじゃあ本当にバーに居る人みたいだ。



「おっ良いんじゃない?カラス君ー」

「慣れてるみたいだね、黒猫さん」

「前ねー、ホストのバイトやったことあるんだ。一週間で辞めたけど。」



思わず、吹きそうになった。
それを堪えて。


「ほっ、ホスト?!だって黒猫さん男じゃ、」

「意外といけたよ?けど、飽きたから辞めた。んで、その時の髪がオールバックでしたー」



笑顔でそう言う黒猫さん。
・・・・・・本当、何でもやってるなぁ・・・・。





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